前の自分、今の自分 [うつ病]
小さい頃から絵は好きでした。
高校生の時は美大に入るために画塾に通い、
美大に入ってからはデザインや広告の
勉強をしていました。
楽しかったです。
いつでもアイディアは泉のように自然に湧き、
もっと良くしたい、もっと色々やってみたいと
希望や夢や熱意を持っていました。
社会人になっても、やはり変わらず好きでした。
嫌なことがあっても、作業をしている間はその世界に
のめり込み、全てを忘れて没頭できました。
手が、体が喜ぶ、という感じでした。
でも今はもう、それはありません。
好きでも嫌いでもない。無関心なのです。
数ヶ月前までは気持ちが無くなることが怖くて怖くて
たまらなかったハズなのに、
気がつけば恐ろしいと感じることも、
もうありません。
普通はこういう世界から抜けるときは
「自分にはセンスがない!」と悩んだ末に
辞めていくモノなのでしょうが、
自分はセンスがどうこうと悩むことも
もう出来ません。
記憶喪失になったような、
別人になったような気持ちです。
部屋の本棚は、デザイン関係の本でびっしりです。
クローゼットの中も。
「ああ、前の自分はこれが好きだったんだな」と
ぼんやり思います。
「山月記」をなんとなく思い出しました。
コメント 0